先端技術センターは30周年を迎えました

先端技術センターは今年30周年を迎えました。1993年に天文機器開発実験センターとして発足した当時、すばる望遠鏡の観測装置開発のために6人からスタートした組織は、2005年にアルマプロジェクトの受信機開発グループを加え、先端技術センター(ATC)として改組しました。今では約60人の研究系および技術系職員が日々観測装置開発に携わっています。ATCでは、X線、可視光、赤外線、電波、重力波といった様々な波長範囲で、また、すばる望遠鏡、TMT、アルマ望遠鏡、KAGRAといった地上望遠鏡から衛星搭載機器に至るまで、国内外のプロジェクトに幅広く活躍しています。最近では、天文の技術を社会に応用する取り組みも行われており、国立天文台の中でも大きな組織の一つに成長しています。

2023年6月には30周年を記念してささやかな式典を行いました。式典には、歴代センター長をはじめOB・OGなどの関係者の方々が出席くださり、常田佐久台長および平林誠之センター長による祝辞と現状報告がなされました。現役職員の案内によるセンター内の見学会も行い、5軸マシニングセンターや3D金属プリンターなど新しい製作機械や各種研究開発グループによる最近の開発状況の紹介をしました。

また30周年の節目として、先端技術センターとしては初めて正式なロゴを制定しました。観測装置開発は観測成果であるサイエンスと比べて地味なイメージがありますが、今後センターから出荷される装置や成果発表にロゴを付け、存在感をアピールしてゆきたいと思っています。

観測技術は日々進歩しています。私達は国立天文台において、天文学を支える唯一無二の開発拠点としてこれからも邁進してゆきます。